はるくのゲーム以外ログ。

http://d.hatena.ne.jp/har-k/ でゲーム系を書いているのでそれ以外のことを書く予定。

評論系同人誌を作り始めた私が三年目に思うこと

いきなりblog始めてからなんか際どいところの話を始めますが。

一昨年の夏からコミックマーケットと言う所で評論系の同人誌を個人で出すようになった*1のですが、まあ理由はいくつかありまして、

  • ネット黎明期から10年以上の歴史があるにもかかわらず、そのジャンルについて網羅的に書かれたサイトや作品が存在しない。あって専門のニュースサイトが散発的に存在するのみ
  • 環境が変わり、自分がそのジャンルに関われなくなってきているので、覚えている限りのことを後世に伝えたい。(最重要)
  • ネットに公開できる物量ではない。かつ自分にそのようなサイトを立ち上げるほどの技術もない。しかしblogのような一過性の強い場所では公開を避けたい
  • ネットに公開することは金銭的にはほぼ無料ではあるが、それ以外のリソースに対してコストを支払うことになる(後述)
  • 「モノ」を作りたい。そしてそれを自らの手と己の語りによって頒布したい

このあたりが原動力となって動き始めた感じです。お陰様でそれなりな数を頒布することができて、当初の目的はそれなりに達成できたのかな、と思ってます。また、売り子として人の前に出るからには「一期一会の交流」がしたいというのが当日の主目的なので、ただ売るのではなくあれこれギミックを入れたりして貰い手を楽しませようと、コミケ当日は張り切らせていただいてます。

さて、私が同人誌として頒布しようと思った経緯の一つ「無料でネットで公開することはリスクが生まれる為」という事なのですが。

これはネットには不特定な方々が見る環境故に、文章の破綻しているところや落ち度に対して過度の追求が入る可能性があり、それに対して適切なレスポンスを取る必要がある、ということです。私はこういう場合の対処が非常に苦手なので時間がものすごくかかってしまいます。また、恣意的に引用されたり、拡散することで本来の趣旨とはかけ離れた、いわば「黒か白か」というような文章のように取られてしまう可能性もあります。極論はわかりやすいですからね。

なので、「ある程度自分の意見の拡散度(=発行部数)を測れる媒体」として作った、という側面もあるわけです。

そういうことで同人誌として作り始めたのですが、元々がコストを余計に払いたくない思いで始めた為、できれば金銭的な損失は避けたい。しかし、リソースがコミュニティの歴史だけあってあまり儲けも出したくはない。という事で個人的な目標として、「(参加費も含め)収支のプラスマイナスゼロを目指す」というモノを念頭において発注と価格設定を考えてます。今回は大好評でしたが、それでも結構ギリギリでした。*1

ここでネックになってくるのが同じ評論系の同人誌。なんせ「評論系はほかに比べて安すぎる!」(苦笑)

評論は主に文章を書くためページも多めになりますが、写真を多用する事が多いので文庫本には出来ませんし、中にはカラーをふんだんに使っているところも。それでいて普通の薄い本よりずいぶん安い!いや買う側にとっては嬉しいのですが。200,300売れるような所でも未だに赤字、という話もちらほら聞きます。

恐らく、「自分の趣味を世に広めたい!」という思いが強い人達だからこそ出来るだけ広く安く、の方になるのは分かるんです。自分もコミケじゃないですが初めて同人活動をしたときは、単独サークルなのに「64Pのコピー本」を頒布したことがありました。疲れました、折り作業。

同人誌制作の楽しみ方としては、身内に配ったりする、交流用としての「新作発表会」という側面もあるので、このために作品を作るというのは素晴らしいことだとは思うのですが、残念ながら自分はオンリーワンを貫いてしまったので、友人らともジャンルが違うし場所も違います。そんな訳で貯金に余裕がある人はともかく、そこまで裕福な暮らしをしていない我が身からしたら、「一日頑張ったけど最終的にはマイナスでした!」というのは、精神的にツライんです。

ということを踏まえて悩みに悩んだ結果。、他の評論系の本よりはほんの少しですが高めの価格になってます。自分がこれだけの価値があると自信を持ってお届けしてますので損はさせないつもりでやってます。今後ともよろしくお願い致します。